Vol.400 2024.3.26

音楽・美術の旅 メールニュース
 
Column

家族旅行 その6

フィレンツェの二日目は雨になった。

雨が降ることを想定した予定は立ててなかったので、起きてすぐ眺めた窓からの空に気が滅入ってしまう。寒い季節の冷たい雨ほどいやなものはないのでブツブツ言っていると、「何言っているの、出掛けるよ!」娘から一蹴される。

朝食プランのない宿泊だったこともあり、まずは傘をさして近くにあるBarへと向かう。カプッチーノとブリオッシュというイタリアでは何の変哲もないチョイスながら、日本に暮らす娘にとってはそれでも極上であるという。悪天候にも関わらず機嫌よく口いっぱい頬張っている彼女を見ると不機嫌であったこちらまでうれしくなってしまう。

ミラノへの戻りは夜の遅い時間のイタロをすでに予約してあるので、それまでは雨が降り続こうがそぞろ歩くのだと先を進む娘に家族が続くことになる。目一杯、教会と博物館を巡るという。
フィレンツェには世界に名を馳せた歴史的な二人のクリエーターがいる。

この町に生まれ、オペラ、そして映画の世界で功績を残したフランコ・ゼッフィレッリ。青年期に渡米しながらものづくりのスキルを磨き、帰国後この町に根を張って世を魅了したサルヴァトーレ・フェラガモ。二人の偉業と生涯を紹介した博物館がこのフィレンツェの中心にある。

午前中にゼッフィレッリ博物館へ赴く。シニョーリア広場と聖クローチェ教会の狭間にある後期バロック様式のこの博物館は、17世紀中頃に建立された修道院が時を経て宮廷の一部となり、後年ゼッフィレッリ本人が買い取ることで現在の展示を目的とした空間が誕生している。

天井の高い2層の館内はいくつもの部屋に分かれていて、マエストロの描いたオペラ舞台、散文劇に関する資料、そして映画のセットスケッチ、デッサン、パネル写真、衣装の置物など、作品が250点以上収蔵。生涯を舞台に捧げたゼッフィレッリの集大成を観ることができる。
ほどよいタイミングで雨の止んだ午後は、トリニタ教会の傍らに鎮座するフェラガモ博物館を訪れている。

フィレンツェの歴史的建造物のひとつ、13世紀につくられたスピーニ・フェッローニ宮殿の地階を利用した博物館は、靴職人フェラガモの人生そのものであろう。奥方ワンダ、長女のフィアンマの主導のもと、1995年にはじめられたプロジェクトには、靴に特化したフェラガモの職人として卓越した技巧や比類のない造形美だけが取り上げられているのではなく、人体構造をくまなく探究したいわゆる解剖学にまでにおよび、靴こそが健常への礎になるというマエストロの持論も展示内容にあって、創作の奥深さに感嘆することになる。

若き日のゼッフィレッリ

堂満尚樹(音楽ライター)
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ザルツブルク音楽祭でミンコフスキ&ウィーン・フィルのオッフェンバック《ホフマン物語》、クルレンツイス&ユートピアのモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》鑑賞!
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